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コラム

2026-01-14

建設業許可の名義貸しは違法?罰則と実例

はじめに

建設業許可について相談を受ける中で、
意外と多いのが
「名前だけ貸してもらえないか」
「許可だけ使わせてもらえないか」
という話です。

結論から言うと、
建設業許可の名義貸しは明確な違法行為です。

この記事では、
名義貸しがなぜ違法なのか、
どんな罰則があるのか、
そして実際に起きやすい事例を解説します。


建設業許可の名義貸しとは

建設業許可の名義貸しとは、
許可を持っている人や会社が、実際には関与せず、
他人にその許可を使わせる行為
をいいます。

典型的な例は次のとおりです。

・許可業者の名前で工事契約を結ぶが、実際の施工は別会社
・許可業者は工事内容を把握していない
・名義だけを使わせて報酬を受け取っている

これらはすべて名義貸しに該当します。


名義貸しが違法とされる理由

建設業許可は、
「一定の人的・技術的・財産的要件を満たしている事業者」
に対して与えられるものです。

つまり、
・誰が経営しているのか
・誰が技術管理をしているのか
・責任の所在はどこか

これらが明確でなければ、
建設業法の趣旨に反します。

名義貸しは、
この前提を根本から崩す行為とされ、
法律で厳しく禁止されています。


建設業法上の位置づけ

建設業法では、
建設業許可を受けた者が、
自己の名義をもって他人に建設業を営ませること
を禁止しています。

つまり、
「許可を貸す側」
「借りる側」
双方が違法行為の当事者になります。


名義貸しに対する罰則

建設業許可の名義貸しが発覚した場合、
次のような重い処分が科される可能性があります。

・建設業許可の取消し
・営業停止処分
・指示処分
・刑事罰(罰金や懲役)

特に悪質な場合は、
数年間にわたり建設業許可を取得できなくなることもあります。


名義を貸した側のリスク

「名前を貸しただけ」と考えるのは非常に危険です。

名義を貸した側には、次のリスクがあります。

・自社の建設業許可が取り消される
・工事事故やトラブルの責任を問われる
・元請や発注者からの信用を失う
・金融機関や取引先との関係悪化

実際には工事をしていなくても、
責任を免れることはできません。


名義を借りた側のリスク

許可を借りて工事を行った側にも、
当然リスクがあります。

・無許可営業と判断される
・今後、建設業許可が取得できなくなる
・工事代金の回収トラブル
・刑事責任を問われる可能性

「許可を借りれば大丈夫」という考えは通用しません。


名義貸しと判断されやすい実例

実務上、次のようなケースは
名義貸しと判断されやすいです。

・専任技術者が実際には現場や営業所にいない
・許可業者が工事内容を把握していない
・工事代金が別会社に直接支払われている
・下請契約の実態がなく、実質的に丸投げ
・許可業者が工事管理を一切していない

形式だけ整えても、
実態が伴わなければアウトです。


名義貸しと事業承継の違い

最近混同されやすいのが、
名義貸しと正当な事業承継です。

事業承継の場合は、
・事業の実体が引き継がれている
・経営・技術管理の体制が維持されている
・行政の認可を受けている

という点で、名義貸しとは明確に区別されます。


名義貸しを避けるために取るべき対応

名義貸しを避けるためには、次の点が重要です。

・許可が必要な工事は、自社で許可を取る
・業種が足りない場合は業種追加をする
・法人成りの場合は承継制度を正しく使う
・判断に迷ったら契約前に専門家へ相談する

「グレーだから大丈夫」は非常に危険です。


まとめ

建設業許可の名義貸しは、
明確な違法行為であり、
許可取消しや刑事罰といった重いリスクがあります。

短期的に仕事を取れても、
長期的には事業を失う可能性が高い行為です。

合法的に事業を続けるためには、
正規の手続きを踏むことが唯一の選択肢です。


杜王行政書士事務所(宮城県全域対応)

建設業許可(新規・更新・変更・承継・業種追加)専門
TEL:080-8572-9605
MAIL:kimura@morioh.jp
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